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行事記録


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 辻研究室では、今日の社会を支えている電力・エネルギーシステムを省エネルギー、環境負荷低減、費用削減、電気事業、エネルギー供給事業などの観点から広く研究対象としてとらえ、システム工学・制御工学の諸方法ならびにコンピュータグラフィックス技術を駆使して、以下のような諸課題に関する研究を行っている。

 1) 都市における環境低負荷型エネルギーシステム検討のための方法論
2) 民生用エネルギー需要構造の分析
3) エネルギー消費情報提供による省エネ行動誘発
4) エネルギーシステム検討支援のためのビジュアルコミュニケーション技術
5) 新しい電気エネルギー流通システムとマイクログリッド
6) 電気事業者と需要家側分散電源の協調運用
7) 電力・エネルギーシステム最適化のための数理計画モデルと高速解法

 とくに、都市中心部の比較的狭い地域を対象に、一次エネルギー消費量、CO2排出量及び費用を考慮してシステムの最適化を行う多目的数理計画モデルを構築し、それを活用した種々のモデル分析を行って、分散型電源の果たす役割など、地域エネルギーシステムの望ましい将来像の明確化につながる議論を展開している。また、このような一連の検討を支援するコンピュータソフトウェアを開発し、結果を視覚的に表現して直感的理解を深めることについても研究している。さらに、エネルギーシステム検討に欠くことのできないエネルギー需要に関するデータについて、実際に計測調査を行い、データの蓄積に努めている。これまでに収集した電力・都市ガス・灯油の消費量、室温・外気温等データは、一戸建て住宅約80軒、集合住宅約70軒の合計150軒以上にのぼる。電気と都市ガスの両方を計測し、テレビなどの機器別だけでなく、冷房・暖房などの用途別にエネルギー消費量をデータベース化した例は余りなく、本データベースの利用価値は極めて高い。すでに、暖房用エネルギーの需要構造の解析や、家庭用のヒートポンプシステム、コージェネレーションシステムの有効性について詳しく論じている。また、需要家にエネルギー消費に関する具体的なデータを可視化して翌日に表示するシステムを構築し、合計およそ30軒の需要家に設置して実験した結果、情報提供により省エネ行動が誘発されること、一軒あたりおよそ10%〜15%の省エネが実現されることなどを明らかにしている。

 この他、分散電源を設置した需要家と電気事業者との協調運用問題、ローカルなマイクログリッドの構成など、需要家側からみたエネルギーシステムのあり方や社会的システムの構築に関して検討すべき課題は山積しており、順次取り組んでいる。
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