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研究室について
多地点同期位相計測による系統動特性観測システム
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●研究の背景

 電力系統は広域に連系された巨大システムです。そこでは、長周期の電力動揺、局所的な発電機動揺、系統間の周波数制御に伴う動揺など長短様々な周期の複雑な系統動揺の発生が知られています。しかし、全体の特性を正確に把握することは困難であり、また地域間の計測に関しては時刻同期をとった計測が必要です。


●研究の概要

 本研究グループは九州工業大学、名古屋工業大学、徳島大学と共同でGPS (Global Positioning System)を用いた時刻同期機能を持つ電圧位相計測装置(Phasor Measurement Unit:PMU)を全国各地の大学に設置し、常時位相データを収集するシステムを構築してきました。このシステムの特徴は、一般需要家が使用する100V コンセントの電圧を計測に用いたことです。
計測データにFFT解析やウェーブレット変換などの信号処理を施し、長周期動揺の観測、系統擾乱時の特性解析、系統モデルを用いたシミュレーションなどを行っています。


●主な研究成果

 現在までの研究で、西日本60Hz系統全体で観測される減衰性が悪く周期の長い、系統両端で逆位相に動揺する第1モード(長周期動揺モード)と、次に周期が長い第2モードの特性変化を捉えることが可能になっています。また、電力動揺の特徴を解析することにより系統動揺の特性係数が求められています。これらの研究成果は、電力系統の安定度をモニタリングする手段の一つとして適用できると期待されています。


●主要論文

1) 「多地点同期フェーザ量計測に基づく電力動揺の特性係数の同定」,橋口卓平,渡邊政幸,松下明広,三谷康範,佐伯修,辻毅一郎,北條昌秀,鵜飼裕之(電気学会論文誌B,2005, 125巻4号, pp.417-424)

2) 「多地点同期フェーザ量計測に基づく発電機動揺特性の解析」,橋口卓平,吉本真呂,三谷康範,佐伯修,辻毅一郎(電気学会論文誌B,2003 , 123巻12号, pp.1471-1478)

3) 「多地点同期フェーザ量計測に基づく西日本60Hz系統動特性観測システム」,橋口卓平,吉本真呂,三谷康範,佐伯修,辻毅一郎,鵜飼裕之,北條昌秀(電気学会論文誌B,2003, 123巻9号, pp.1083-1090)

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